クレバテスの原作はある？ 作者・単行本の違いも徹底解説【新装版はどこまで？】

「クレバテスって原作あるの？」「作者って誰？ あの絵、どこかで見た気がする…」
──そう思いながら、気になったまま読みそびれていた人へ。
異色のダークファンタジーとして注目されながらも、「読むにはハードルが高そう…」と感じていた方もいるかもしれません。

でも、今こそその背中をそっと押せるタイミングです。
2025年7月にTVアニメ化が決定した今、原作を知ることが“アニメを見る楽しさ”を何倍にも広げてくれます。

この記事では、『クレバテス―魔獣の王と赤子と屍の勇者―』について、
「原作の有無」「作者は誰？」「単行本はどこまで出ているの？」というよくある疑問に、わかりやすくお答えします。
ただの情報紹介ではなく、「読む前の迷い」や「どの形式で読むべきか」など、“感情にも寄り添う視点”で解説していきます。

まずは概要をまとめたボックスからチェックしてみてください。

クレバテスの原作はある？ 実は“完全オリジナル作品”です

『クレバテス―魔獣の王と赤子と屍の勇者―』には、原作となる小説やWEB作品は存在しません。
物語の構想から作画まですべて、岩原裕二さん自身による“完全オリジナル”として制作されたマンガ作品です。

2020年8月よりLINEマンガにて、フルカラーの縦読み形式で連載がスタート。
もともとアニメ風の画面構成に強みを持つ岩原氏だからこそ、Webtoon形式との親和性も高く、視覚演出と間の取り方に深みがあります。

連載媒体はLINEマンガ｜“縦読み”で映える演出

『クレバテス』が連載されているのは、スマートフォン向けのLINEマンガ。
縦スクロール形式に最適化されたフルカラーマンガとして構成されており、「ページをめくる」より「間を降りる」感覚が体験できます。

特に戦闘シーンや静寂の描写では、スクロールのリズムそのものが演出の一部になっており、紙のマンガとはまた違った没入感を味わえます。

“お決まりの冒険譚”では終わらない、もう一歩深い物語

昨今の異世界・ファンタジー作品の多くが「転生」「チート能力」「冒険者ギルド」など、決まりきった設定に頼る傾向があります。
ですが『クレバテス』は、そうした枠組みに収まらない独自の世界観と静かな語り口で、読み手の心をじわじわと掴んでいきます。

物語のきっかけは、“討伐されるべき魔獣”が赤子を拾うという出来事。
その小さな選択が、やがて種族と価値観の壁を揺るがし、“勇者”と“魔獣”の対立構図に疑問を投げかけていきます。

そこに描かれるのは、決して派手なバトルや攻略ではなく、「守るとは何か」「生き延びるとはどういうことか」という問いかけ。
だからこそ読み終えたあとに、静かな余韻と、少しだけ優しくなった自分が残るような──そんな物語なんです。

作者は誰？ 岩原裕二が描く“感情と暴力”の共存

『クレバテス』の作者は、岩原裕二（いわはら・ゆうじ）。
これまでに『いばらの王』『Dimension W』といった人気作を世に送り出し、いずれもアニメ化・映画化された実績を持つ実力派の漫画家です。

“暴力”の中に“孤独”を描く作家

岩原氏の描く世界は、一見するとダークで殺伐としています。
けれどその暴力性の裏には、どこか不器用で傷ついた登場人物たちがいて、「誰かを守る」という願いが隠れていることが多いのです。

それは“敵”として登場するキャラにさえ、時に共感や悲しみを抱いてしまうほどの繊細な描写。
『クレバテス』でもその持ち味は健在で、魔獣という「言葉を持たない存在」にさえ、感情が確かに宿っているのを感じられます。

魔獣が“父”になるという構図──その異質さ

『クレバテス』では、人間から恐れられ、“討伐される対象”であった魔獣が、
偶然拾った赤子を育てるという選択をします。

この設定そのものが、“岩原裕二らしさ”を物語っているように感じます。
強い者が守るのは、武器ではなく、小さく壊れやすい命。
その対比こそが、彼の描くファンタジーがただのバトル物ではない理由なのです。

「守ることは、時に壊すことよりも難しい」
クレバテスという作品の本質は、そんな言葉に集約されるのかもしれません。

クレバテスの新装版と旧版の違いとは？ 単行本の選び方ガイド

『クレバテス』の単行本には、旧版と新装版の2種類が存在します。
新装版の違いとしては、判型・装丁・出版社のレーベルが異なっており、購入時の選び方に迷う人も多いようです。

✔️旧版（LINEコミックス）
・全10巻完結（2025年時点）
・モノクロ・横読み（B6サイズ）
・発行元：LINE Digital Frontier

✔️新装版（KADOKAWA／MFアライブ＋）
・2024年7月より刊行開始
・2025年7月現在、第8巻まで刊行済／第9巻は同月下旬発売予定
・判型・装丁を刷新、全国書店＆電子書籍対応

新装版は“装い”が違う｜判型・レーベル・装丁

新装版はB6判の単行本として、KADOKAWA傘下のMFコミックスから改めて刊行されています。
表紙デザインや紙質、背表紙の統一感が洗練されており、コレクション目的にも向いています。

また、電子書籍版でも「旧版」「新装版」が混在しているため、巻数・出版社の確認は忘れずに。

読むならどっち？ フォーマットで選ぶ“読書体験”

「物語だけを追いたい」「価格重視」という方には、既に完結している旧版でも十分楽しめます。
一方で、「これからじっくり集めたい」「装丁も作品の一部と感じたい」なら新装版がぴったり。

読む体験は、フォーマットによっても変わります。
スマートフォンで縦読みのLINEマンガから入っても、紙で読み直すことで“感情の奥行き”が深まることもあるんです。

アニメ化も決定｜読むなら“今”がちょうどいい

『クレバテス』は、2025年7月よりTVアニメが放送開始となります。
制作スタジオはLay-duce、監督は『牙狼〈GARO〉』や特撮作品でも知られる田口清隆。
物語の静けさと重厚さをどう表現するかが注目されており、原作の“空気感”がどこまで再現されるか、期待が高まっています。

キャスト・ビジュアルも順次発表され、魔獣と赤子、そして勇者たちの三つ巴の物語が、いよいよアニメーションとして動き出します。

“声を出さない演技”が試される物語

クレバテスの原作では、言葉よりも「間」や「目線」といった演出で感情が語られます。
特に、魔獣が赤子を静かに抱きしめる場面や、勇者たちの葛藤が滲む沈黙──それらはアニメでは難しい表現だからこそ、成功すれば感動もひときわ大きい。

アニメを見る前に原作を読んでおくと、「この演出がどう映像化されたか」という比較の楽しみも生まれます。
原作ファンこそ、今このタイミングで読み返しておきたい。そう言いたくなる完成度です。

まとめ｜クレバテスを“どこから読めばいいか”迷っている人へ

• 原作： 完全オリジナル（原作小説なし）
• 作者： 岩原裕二（代表作：『いばらの王』『Dimension W』）
• 単行本： 旧版10巻（LINEコミックス）／新装版8巻（KADOKAWA）
• アニメ： 2025年7月よりTV放送スタート

『クレバテス』は、魔獣が赤子を育てるという、他にない切り口から始まるダークファンタジー。
でもその本質は、壮大な戦いや異種族の争いではなく、「心が動いた瞬間」を丁寧に描く物語です。

読むなら今。
単行本のどちらの形式でも構いません。
きっとあなたの中にある、「優しさを信じたい気持ち」や「誰かを守りたい想い」と響き合う瞬間があるはずです。

──この物語に触れたとき、あなたはきっと、“魔獣の目線”で世界を見直したくなる。