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“決戦前夜”の静かな熱狂──『柱稽古編』が描く、柱たちの素顔と覚悟とは

ファンタジー

「修行回でしょ? 流し見でいいかな」──最初、正直そう思ってたんですよ。
でもね、気づいたら画面の前で息止めてました。…いや、ほんとに。

『鬼滅の刃 柱稽古編』は、ただのトレーニングじゃないんです。
それは、“決戦前夜の静けさ”に満ちた章でした。

誰もが強くなろうとする。でも、その裏にあるのは、「何のために」「誰のために」っていう、
言葉にならない“覚悟”や“願い”なんですよね。

この章は、技を磨く物語じゃない。
心を整え、想いを託し合う──そんな時間だったんです。

今回は、そんな『柱稽古編』のあらすじと構成、そして柱たちの“沈黙の裏側”にあった感情まで、
じっくり言葉にしてみようと思います。

✔️放送期間: 2024年5月12日~6月30日(全8話)
✔️アニメ範囲: 原作第128話〜第136話
✔️視聴方法: フジテレビ/dアニメストア/Netflix(10月配信)
✔️次作連動: 劇場版『無限城編』2025年7月〜公開予定

『柱稽古編』とは何か?

それは、剣を交える前に“心を整える”物語だった──。
「修行」と「再構築」、この章に込められた意味を、改めて見つめ直してみませんか。

原作・アニメ第4期の位置づけ

『柱稽古編』って、名前だけ聞くと“ただの特訓回”っぽく感じませんか?
でも、これがね…ぜんっぜん違うんですよ。いやほんと、油断してた自分を殴りたい。

この章は、原作でいえば15〜16巻、アニメでは第4期として2024年に放送されました。
位置づけとしては、「刀鍛冶の里編」の続き、そして「無限城編」への直前

ufotableの演出は相変わらず隙がなくて、背景のライティングや柱たちの“間”の描き方に、いやでも気持ちを持っていかれます。
大げさに聞こえるかもですが、“戦う前に泣かせにくる構成”って、もうずるいでしょ。

“ただの修行回”じゃない理由

僕も最初はそう思ってました。「あー、各柱のトレーニングね」「腕立て伏せとかやるやつ?」って。
…違いました。むしろ、戦闘シーンより心が削られるやつでした。

それぞれの柱たちと炭治郎が1対1で向き合う構成なんですけど、これがもう“感情のリレー”なんですよね。
表面上は「修行」なんだけど、実質は「お互いの心をほぐす儀式」

義勇の静かな拒絶、蜜璃の無邪気さの裏にある傷、不死川の荒々しさの中に潜む痛み──
「あなたはどうして強くなりたいの?」って問いを、視聴者も一緒に突きつけられる構成になってるんです。

痣の誕生とその意味

この章で地味に重いのが、痣の発現。いや、もうこれ、物騒すぎるシステムでしょ。

心拍数200以上・体温39度以上で発現。つまり、「死ぬほどがんばったら出るよ」ってこと。
実際、無一郎や蜜璃はすでに痣を宿してて、炭治郎もそこに向かう流れに…

でも大事なのは、その“代償”じゃなくて、“覚悟”なんです。
命を削ってでも守りたいものがある──そう思える人にしか、痣は宿らない。

「強くなりたい」じゃないんですよね。「誰かを守りたいから、弱くいられない」。
その気持ちが痣を生む…って、もはやバトル漫画の域を超えて、哲学ですよ。

柱たちは、なぜ“強くなる理由”を語らないのか

言葉じゃなく、沈黙がすべてを物語っていた。
彼らの瞳や背中ににじんでいた“理由”を、丁寧に言葉にしていきます。

“語らない”冨岡義勇が見せた変化

義勇って、ほんとに「説明しない男」なんですよ。
初登場からずっとクールで、仲間にも壁つくって、笑わないし、喋らないし…いやもう、話す気ある? って思うレベルで。

でもこの柱稽古編では、その沈黙に理由があるってことが、ちゃんと描かれるんです。
彼が背負っていた“罪悪感”。自分だけが生き残ったこと、自分を「柱失格」だと思ってること。

炭治郎との稽古を通して、少しずつその殻が割れていく描写が…もうね、静かで優しくて泣ける。
セリフじゃないんです。背中で語るんです。目線で、間合いで、呼吸で。

あの「俺は柱失格だ…」のセリフ、聞いた瞬間に僕、心臓ぎゅってなりました。
ああ、この人、ずっと自分を許せてなかったんだって。

甘露寺蜜璃と不死川実弥の“逆ベクトル”な感情設計

この2人、対照的すぎて逆に並べたくなるんですよね。
一見ふわふわと明るく見える蜜璃と、常にブチギレてるような実弥。でもどっちも、実は“自分の存在意義”に飢えてる。

☑ 蜜璃は、「誰かに必要とされたい」という渇望。
☑ 実弥は、「信じても壊れる」ことへの恐れ。

どちらも、「自分はこれでいいのか?」って葛藤してるんですよね。
それを、“修行”という名の交流の中で、炭治郎が自然に受け止めていく。…もう主人公の器、デカすぎん?

蜜璃の「頑張ってるあなた、私、大好き!」って笑顔。
実弥の「うるせぇ!」って言いながらちょっと涙こらえてる目。

どっちも、“言葉にならないSOS”だったと思うんです。

アニメオリジナルが紡ぐ関係性の深まり

でね、アニメならではの「補強ポイント」がまた刺さるんですよ。
実弥と伊黒の共闘とか、しのぶと蜜璃のちょっとした目配せとか──原作にはない“間”が加えられていて、それがすごく効いてる。

特に実弥と伊黒、あの無言の連携シーン。
一言も喋らないくせに、「お前に任せた」って空気だけで伝わるの、どういうこと? エスパーか?

それってつまり、信頼って「言葉じゃない部分」で築かれるものなんだよって教えてくれてる気がします。
仲間って、説明ゼロでも通じる瞬間がある──その尊さを、アニメはちゃんと見せてくれたんですよ。

“静かな熱狂”はどこにあったのか

音を立てない緊張感、戦わないのに燃える空気──。
あの静けさの中に、なぜ僕たちは涙腺を握られたのか。その正体に迫ります。

戦闘ではなく、“空気”が熱かった回

アニメって、つい「戦闘がすごかった!」とか「技が派手だった!」って評価しがちですけど──
柱稽古編はその真逆でした。むしろ、「戦ってない時間」に、いちばん心が震えた。

たとえば、柱たちが訓練場に揃ったあのカット。セリフ、ほぼないんですよ。
でも、その“無言”が怖い。視線の交差、足音、風の音──全部が「これはただごとじゃない」って語ってる。

僕、思いましたもん。「これカラオケで流れたら気まずいやつだ」って。
つまり、空気がピリッピリ。でもその緊張感が、たまらなくリアルだったんですよ。

セリフより“間”が雄弁な場面たち

この章って、「しゃべらない」ことが武器になってるんですよね。
たとえば、炭治郎と義勇の呼吸の合わせ稽古

言葉ひとつ交わさず、ただ息を合わせて構えるふたり──
もうこれ、恋か信頼かの二択でしょってくらい、空気が繊細に張ってて。

あの“間”がすべてを語ってるんです。「お互いを信じてる」「もう言わなくても伝わる」って。

そして伊黒としのぶのやりとりも、良かった。
しのぶの言葉に、一瞬だけ目線を落とす伊黒。その“0.5秒の沈黙”が、彼の心を映してる

いやほんと、感情の描写って「沈黙が一番うるさい」んですよ。
セリフを削って、演出と演技で魅せてくるufotable…好きです(突然の告白)。

声優が語る「熱量」と感情のスパイス

この“静かな熱狂”を成立させたもう一つの要素──それが声優陣の演技力です。

花江夏樹さん(炭治郎)が「語尾に感情を込めるだけで、台本が全然違うものに見えた」と語ってたんですが、ほんとその通りで。
セリフそのものより、「どこで息を吸うか」とか「声を張るか抑えるか」とか──その積み重ねがキャラの“本音”を引き出してる

下野紘さん(善逸)も、「今回は叫ぶより黙るほうが難しかった」って言ってたんですよ。
叫ばない演技って、逆に“感情の余白”が残るんですよね。視聴者の想像力に託される

つまり、柱稽古編の熱って「画面に映ってないところ」で燃えてたんです。
静かだけど、熱い。語らないけど、伝わる。もう、大人のアニメって感じでした。

無限城編への“静かなフラグ”たち

「もしかして…これが最後かもしれない」
あのささやかな笑顔に潜んでいた“別れの予感”、あなたも感じましたか。

“集結”という伏線の回収

柱稽古編の終盤、9人の柱がそろうシーン──一見すると、晴れやかな集合写真ですよね。
でも、あれって逆に怖かった。僕、正直、あの笑顔が“フラグにしか見えなかった”です。

なぜなら、あの空気には最初で最後の全員集合という緊張感がにじんでたから。
脚本的にも明らかに、「今のうちに見ておいてね」って言われてるような構成なんですよ。

しかも、炭治郎の笑顔がいつもよりちょっと切ない気がして。
無意識に「この日々が終わる」ことを察してたんじゃないかな…って、思ってしまいました。

産屋敷ボンバーと決戦の号砲

そして──事件は起きました。そう、産屋敷ボンバーです。

いや、真面目に語ると本当に衝撃的なシーンなんですけど、あまりの展開に一瞬フリーズしましたよね?
穏やかな空気から一転、あの爆発音。静かな夜に響く“終わりの音”が、完全に視聴者を突き落としてきました。

でも、あれってただの衝撃展開じゃなくて、「ここから物語の重力が変わるぞ」っていう合図だったんです。
無惨が現れ、屋敷が燃え、柱たちが集結する──あの一連の流れ、テンポが早いのに、感情の吸収率が異常に高い。

映像のトーンも一気に暗くなって、空気が冷える感じ。
「この作品、いよいよ終わりに向かってるんだな」って、身をもって感じた瞬間でした。

次にくるのは“喪失”──だからこそ今が尊い

だからこそ、なんですよ。
柱稽古編のこの日常が、あまりにも尊かった理由って。

この後に来るのは、「命が奪われていく物語」
誰が欠けてもおかしくない中で、それでも皆が笑っていた──その対比が胸に残るんです。

僕は、あの「静けさ」の中に、“別れの覚悟”がにじんでたと思ってます。
ただ楽しいわけじゃない、どこか「これが最後だ」って感じてる。
だからこそ、この章を見返すたびに、切なくて愛しくて、苦しくなる。

あなたも、きっと気づいたはずです。
この時間が、もう二度と戻らないってことに。

視聴方法・再放送・次作との連動

今こそ観るべき理由がある。
柱稽古編が“無限城編の感情の地図”になる、そのつながりを整理します。

どこで見られる? 放送・配信情報

「今からでも追いつける?」って声、ほんとによく聞きます。
安心してください、むしろ今がいちばんいいタイミングなんです。

『柱稽古編』の視聴方法は、以下のとおりです:

フジテレビ系: 2024年5月〜6月に初回放送済み
dアニメストア: 配信中(サブスク内で全話視聴可)
Netflix: 2024年10月31日より一部地域で配信予定

そして嬉しいのが、2025年8月11日〜15日に関東ローカルで再放送が決定していること。
これ、「劇場版・無限城編 第一章」に向けた“エモの再充電期間”でもあるわけです。

劇場版『無限城編』へ続く“感情の道筋”

2025年7月18日には、『無限城編』第一章(猗窩座戦)が全国ロードショー。
しかも全三部作というスケールで、原作のクライマックスがついに映像化されていきます。

その入口として『柱稽古編』を見返しておくのは、感情面でも構造面でも、非常に重要な“地ならし”になります

なぜなら──
この編で、柱たちが“自分の言葉”で語らなかった想いが、無限城で“結果”として描かれるから。

つまり、『柱稽古編』を知ってるかどうかで、劇場版の「重み」がまるで違う
感情の濃度が変わる。涙腺の臨界点が変わる。いやほんと、見ておいて損はないです。

まとめ

これは、“戦うための物語”じゃなかった。
“誰かのために生きる”ことを描いた章だったんです。

『柱稽古編』──それは、「柱たちの心に触れるための章」でした。

修行回? 決戦前の準備?
…うん、たしかにそうかもしれない。でもね、もっと大事なのは、“誰かを信じることの難しさ”と“それでも支え合う強さ”が描かれていたこと。

言葉にしない想い。笑顔の裏の覚悟。
この章に詰まっていたのは、“戦いの前に、心を整える時間”だったんです。

戦いが始まったら、もう戻れない。
だからこそ──この静かな時間を、僕たちはちゃんと見届けておきたかったんだと思います。

あなたは、どの柱の沈黙に、心を揺さぶられましたか?
もし、まだ誰かの覚悟を見逃しているなら…今が、静かに向き合うチャンスです。

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