【ガクの声優は誰？】サカモトデイズ・ORDERの最凶キャラ“楽”の狂気を演じるのは内山昂輝さん

──それ、気になってたんですよね。

『サカモトデイズ』で突如として現れた“異質な殺し屋”、楽（ガク）。
その戦闘シーンの鋭さと、どこか楽しげな口調に「この声、誰？」と思った人も多いはず。

ORDERの一員でありながら、まるで戦闘を“遊び”のように楽しむそのキャラクターは、アニメ視聴者に強烈な印象を残します。

今回は、そんなガクを演じる声優・内山昂輝さんについて、彼の演技がガクに与えた影響、そしてキャラとしての“危うい魅力”に迫ります。

ガク（楽）の登場と立ち位置

『サカモトデイズ』に登場するキャラの中でも、とりわけ“異質”といえるのがORDERの一員・楽（ガク）です。

その初登場から、読者・視聴者の間で話題になったのは、圧倒的な戦闘力はもちろん、“その戦いぶり”にありました。まるでゲームを楽しむかのような軽やかさと、命の重みに無頓着な態度。

彼はいったい何者で、どんな立場からこの物語に関わっているのか。ここでは、彼の登場回や役割、スラーとの関係も含めて整理していきます。

“ORDER”に潜む、最も異質な男

楽（ガク）は、殺し屋組織ORDERの中でもひときわ異彩を放つ存在です。

ひと目見ただけでは、その危険性がわかりにくい。けれど彼の言動を追っていくと、次第にわかってくるんです──この男は“命”を特別視していない、と。

他のORDERメンバーが任務や信念のもとに行動しているのに対し、ガクはただ“面白そうだから”という理由で戦場に現れます。

誰かの命を奪うことに躊躇がなく、それどころか“遊び”のような軽さで動く。その姿は、シリーズ全体の中でも明らかに“浮いて”いて、けれど確かに“怖い”。
彼の存在は、ORDERという組織の中で、“常識の枠を外れた危険性”を体現する象徴なのかもしれません。

原作での初登場と印象的なシーン

ガクの原作初登場は第50話。
この回で彼は、殺連関東支部をたったひとりで襲撃し、支部そのものを半壊状態にまで追い込むという“異次元の強さ”を見せつけました。
しかもその戦い方には、戦略や焦りといった要素がまるで感じられない。相手の武器を奪い、軽々とかわし、むしろ楽しげに戦う──その姿は、強さよりも“余裕”が際立って見えるものでした。

戦闘中でも「面白いね、君」というような調子で語りかける様子は、視聴者に“このキャラ、まともじゃない”という第一印象を深く刻み込んだはずです。
アニメでは第2クールからの登場が予定されており、ビジュアル解禁時点からファンの間で大きな話題となりました。
彼の“異質さ”は、登場そのものが一種の事件として描かれていると言っても過言ではありません。

キャラ視点で見る“気持ちの流れ”

ただ強いだけのキャラなら、ここまで記憶には残らなかったはず。
楽（ガク）が人々の記憶に残る理由は、その“戦いの捉え方”にあります。彼にとって戦闘は勝負ではなく、遊び。殺意ですら、まるで好奇心の延長線上にあるような。

ここでは、そんな彼の視点から“気持ちの流れ”を追いながら、スラーへの忠誠と、それに見合わない気まぐれさの中に隠された心理を深掘りしていきます。

戦闘を“遊び”として見る感性

楽（ガク）というキャラは、戦いに対する向き合い方そのものが他のキャラとは違います。
誰もが命を懸けて戦っている場面でも、彼だけはどこか楽しげで、“ゲーム”の続きを始めるような軽さで戦場に姿を現す。

もちろん、まったく感情がないわけではない。驚いたり、笑ったりといった反応は見せるんですが──それが、あまりにも“ズレて”いる。
たとえば、自分が殺されかけても慌てず、むしろ「やっと面白くなってきた」と笑ってしまうようなところ。

この“命の重みを感じていない”とも取れる感性は、ただの狂気というよりも、“倫理観が別の場所にある人間”のようで、逆にリアルに感じてしまうんです。
だからこそ、視聴者は彼の行動を見ていて、ふと背筋が冷たくなる瞬間がある。その危うさこそが、彼の魅力なのだと思います。

スラーとの関係性と“目的”の曖昧さ

表面的には、楽（ガク）はスラーの配下として動いています。ORDERの一員として、明確な組織の一部として描かれている。

けれど彼の行動を注意深く見ていると、ただの部下とは言い切れない“ズレ”が見えてくるんです。
スラーの指示に従っているようでいて、まるで自分のルールで動いているような。
あるときは命令を完全に無視して戦闘に加わり、またあるときは自分の興味が薄れた途端に去ってしまう──その気まぐれさは、もはや“命令を遂行する”という意識では動いていないことを物語っています。

つまり彼は、「命令」よりも「面白そうかどうか」で行動を決めている。
そこに、視聴者は一種の“制御不能な恐怖”を感じるのではないでしょうか。

スラーの右腕であるはずなのに、むしろ“誰にも手綱を握れない爆弾”のように映る。それが、ガクというキャラの根本的な怖さなのかもしれません。

読者が重ねる“自分の記憶”

あなたも、どこかで見たことがあるかもしれません。“ルールに縛られない人”や、“空気を読まないけどなぜか惹かれる人”。

楽（ガク）というキャラには、そうした記憶を呼び覚ます不思議な力があります。
ここでは彼の“危うさ”にゾクっとしながらも目が離せない理由を、僕たち自身の記憶や感情と照らし合わせながら、紐解いていきます。

「マイペースな狂気」にゾクっとした感覚

楽（ガク）というキャラクターを初めて見たとき、多くの人が感じたのは「この人、普通じゃない」という“ズレ”だったと思います。

見た目は若く、言葉遣いも砕けていて、どこか無邪気。でも、やっていることは圧倒的な暴力で、命を奪うことにためらいがない。
そのギャップが生む“怖さ”は、ただの暴力描写とは違う種類のもの。たとえるなら、子どもが虫の羽をもいで遊んでいるのを見たときのような、言葉にできない背筋の寒さ──それに近いかもしれません。

そして、そのゾクっとする感覚を、声優・内山昂輝さんは声だけで表現してみせました。
感情の起伏が読めない淡々とした口調の中に、ほんの少しの好奇心や高揚感が混じっている。
その声を聞いたとき、僕たちはただ「怖い」だけじゃなく、「この人は、本当に楽しんでるんだ」と感じてしまう。

だからこそ、“恐怖”よりも深く記憶に残ってしまうんです。

“危険な魅力”に惹かれてしまう理由

なぜ僕たちは、明らかに危険だとわかっているのに、こういうキャラに惹かれてしまうのか。
その答えはきっと、“彼らが自分にないもの”を持っているからだと思うんです。
常識にとらわれず、空気も読まず、思うままに動く。そんな自由さに、どこかで憧れてしまう自分がいる。

一方で、彼らの倫理観のなさや“人を傷つけることへの無感覚”に、恐れや嫌悪感を抱くのも事実。
でもその矛盾こそが、人間のリアルな感情なのかもしれません。
楽（ガク）という存在は、その“憧れ”と“恐れ”を見事に両立させていて、だからこそ観る者の感情を強く揺さぶるんです。

彼が現れるたびに心がざわつくのは、彼の中にある“自分にはない自由”に、どこかで触れてしまうからじゃないでしょうか。

声優・内山昂輝がガクに与えた影響

キャラクターの印象を大きく左右するのが、“声”の力です。
楽（ガク）の“マイペースで狂気じみたキャラ性”を、ここまでリアルに、そして魅力的に仕上げたのは、声優・内山昂輝さんの存在抜きには語れません。

ここでは、彼の声がキャラにもたらした深みや、過去作との違い、演技のレンジの広さについて掘り下げていきます。

“抑えた声”が描く、冷たく美しい破壊の美学

内山昂輝さんが演じるガクには、彼ならではの“声の抑制”が強く活かされています。
決して大声を張り上げるわけでも、感情を露骨に表現するわけでもない。むしろ、全体的に静かで淡々とした口調なのに、その中に妙な“鋭さ”と“軽やかさ”が共存しているんです。

その声を聞いた瞬間、「あ、この人は危ない」と本能的に感じさせるものがある。
それは、まるでナイフのような声──刺すわけではないのに、聞いた側の心に“薄く切り傷を残す”ような響き。
しかも、その声がどこか“楽しげ”であるからこそ、より怖い。

ガクの「冷酷さ」と「無邪気さ」が入り混じった少年性を、この抑制された演技が見事に表現しているんです。

だからこそ、彼が「面白いね」と軽くつぶやく一言だけで、場の空気が一変する。
“演技”というより、“声そのものに感情の機微を溶かし込んでいる”とさえ感じさせる演じ方でした。

代表作との比較で見える演技の振れ幅

内山さんといえば、『呪術廻戦』の狗巻棘のように寡黙で一言一言に重みを持たせるキャラや、
『東京リベンジャーズ』の斑目獅音のような不穏さと静謐さを併せ持つ役柄で知られています。
どちらも“言葉を少なくして深く語る”タイプのキャラですが、ガクはそこに“異常性”と“陽気さ”をミックスする必要があるという意味で、演技の難易度が非常に高い役だと思います。

彼は狂気に足を踏み入れているけれど、それを過剰に表現しない。むしろ、何気ない口調や淡い笑みの中に“異常な熱量”が潜んでいる。
この“温度差”を声だけで描くには、抑制と奔放の両極を自在に操れる技術が必要です。
その点で、内山昂輝さんはまさに“演技の振れ幅”を最大限に活かせる希少な声優。

静から動、冷徹から無邪気へと振れる幅が広いからこそ、楽（ガク）の多面性が視聴者にじわじわと伝わってくるんです。

【まとめ】

──楽（ガク）というキャラクターは、『サカモトデイズ』という作品の中でも、ひときわ異質で、どこか“常識の外”に立つ存在でした。
ただ強いだけではない。むしろ、何に対してもマイペースで、命のやりとりすら“遊び”にしてしまう──そのズレた感性が、恐怖と同時に不思議な魅力を放っていたんです。

そしてその“狂気”にリアリティを与えたのが、声優・内山昂輝さんの演技でした。
抑えられた声のトーン、淡々とした口調の奥に、ほんの少しの好奇心や楽しげな響きをにじませる。その絶妙な匙加減が、ガクというキャラをただの“ヤバいやつ”ではなく、“記憶に残る存在”へと昇華させたのだと思います。
あの声があるからこそ、彼の狂気は“怖い”ではなく、“どこか美しい違和感”として、僕たちの胸に残り続ける。

これから先、アニメ『サカモトデイズ』で彼がどんなセリフを発し、どんな感情を響かせるのか──その一言一言に、ぜひ耳を傾けてみてください。
きっとまた、あなたの中に“言葉にならない何か”が残るはずです。