『追放された転生重騎士』に登場するマリスは、エルマに代わってエドヴァン伯爵家の次期当主となった人物です。
ただし、マリスが欲しかったのは、後継者の地位だけではありません。
エルマが暮らしていた部屋に入り、残された持ち物にまで強い関心を示す。その姿から見えてくるのは、単なる対抗心では片付けられない、少し歪んだ執着です。
いやもう、地位を奪って終わりなら話は簡単なんです。
それでもマリスは、エルマの痕跡を求め続けました。
この記事では、マリスとエルマの関係、次期当主の座が入れ替わった経緯、剣聖と重騎士の決闘、マリスが抱えている目的について、原作の描写をもとに解説します。
※この記事には、原作小説および漫画版のネタバレが含まれます。
この記事を読むとわかること
『追放された転生重騎士』マリスとエルマはどのような関係?
マリスとエルマは、どちらもエドヴァン伯爵家に関わる人物です。
もともと次期当主として育てられていたのは、本家の息子であるエルマでした。
ところが、加護の儀によって二人の立場は一気にひっくり返ります。
エルマが授かったのは、世間からハズレ扱いされる〈重騎士〉。対するマリスは、エドヴァン家が求めていた〈剣聖〉を授かりました。
この瞬間から、エルマは家を追われ、マリスは次期当主の座へ近づいていきます。
まるで運命が、二人の立場を強引に入れ替えたような展開です。
エルマはエドヴァン伯爵家の次期当主として育てられた
エルマは、エドヴァン伯爵家の後継者として、剣術や領主としての教育を受けていました。
父アイザスが期待していたのは、代々の当主と同じく、強力な剣士系のクラスを授かることです。
エルマもまた、加護の儀を迎えるまでは、家を継ぐ立場にありました。
しかし、エルマが授かった〈重騎士〉は、この世界では扱いにくいハズレクラスと考えられています。
たった一度の儀式。たった一つのクラス。
それだけで、エルマは次期当主としての価値まで失ったと判断されてしまいます。
ここ、理不尽すぎるだろと思った読者も多いはずです。
マリスはエルマの追放後に次期当主となった
エルマが追放された後、次期当主として選ばれたのがマリスです。
マリスは分家側の人物でしたが、エドヴァン家が重視する〈剣聖〉の力を授かっていました。
そのため、重騎士となったエルマに代わる後継者として、本邸へ迎えられます。
追放された本家のエルマ。
その席に座った分家のマリス。
この構図だけでも、二人の因縁に火をつけるには十分です。
しかも、二人の対立は加護の儀で突然生まれたものではありません。
それ以前からマリスは、エルマが次期当主である状況に不満を抱いていました。
マリスとエルマは後継者の座を巡る因縁を持つ
マリスは、エルマには次期当主という立場が荷が重いと考えていた様子を見せています。
その言葉だけを見れば、能力を評価した冷静な意見にも思えます。
しかし、後に描かれるエルマへの異様な関心を踏まえると、単なる人物評価では片付けられません。
エルマが持っていた立場を奪い、その生活の跡にまで触れようとする。
マリスが欲しかったのは、エルマの席だけではなかった。
そう考えると、彼女がエルマへ向けた言葉の温度まで、少し違って見えてきます。
マリスはなぜエルマに執着しているのか
マリスの感情が不気味なのは、エルマを嫌っているように見えながら、その痕跡を強く求めている点です。
エルマの失脚を望み、次期当主の座を手に入れたのであれば、本来はそこで満足してもおかしくありません。
ところが、マリスの関心は、エルマがいなくなった後も消えませんでした。
嫌いだから遠ざけたいのか。欲しいから奪いたいのか。
この感情、見れば見るほど底が見えません。
マリスはエルマの部屋や持ち物に関心を示していた
次期当主となったマリスは、エルマが以前使っていた部屋で暮らすことになります。
その際、マリスはエルマの持ち物が処分されてしまったことを惜しむ様子を見せています。
後継者の部屋が欲しかっただけなら、元の持ち主が残した私物まで求める必要はありません。
この描写からは、マリスがエルマの地位だけでなく、エルマ自身の存在や生活にまで強く惹かれていることがうかがえます。
嫌いなら、なぜエルマの痕跡を欲しがるのか。
いやもう、ここで背筋が少し冷えた読者もいるはずです。
この矛盾こそが、マリスの執着を読み解く重要な手がかりになっています。
エルマより上の存在になりたかった可能性がある
マリスにとってエルマは、もともと自分より上の立場にいる人物でした。
エルマは本家の後継者。マリスは分家側の人間です。
加護の儀によって二人の立場が逆転したことで、マリスは初めてエルマより優位に立ちました。
マリスが次期当主の座に強くこだわった背景には、エルマを超えたい、自分のほうが優れていると証明したいという思いがあったとも考えられます。
ずっと見上げていた相手を、自分の足元まで引きずり下ろす。
そこに快感がなかったとは言い切れません。
ただし、地位を手にした後もエルマを求め続けているため、優越感だけでは彼女の感情を説明しきれないのです。
嫌悪と好意が入り混じった感情を抱いている
マリスのエルマに対する感情は、単純な憎しみではありません。
エルマを後継者にふさわしくないと否定する一方で、エルマが使っていた部屋や私物には強い関心を示しています。
エルマを排除したいのに、エルマの存在から離れられない。
そこには、対抗心、嫉妬、支配欲、そして憧れに似た感情まで複雑に絡んでいるように見えます。
マリスの執着は、好意と悪意の境界を簡単に踏み越えてくる。
好きか嫌いか。その二択で片付けられないからこそ、マリスは怖い。
そして、目が離せません。
エルマを自分の支配下に置きたかったとも考えられる
マリスは、エルマの立場だけでなく、エルマに関係する物や空間まで手に入れています。
こうした行動からは、エルマを完全に排除するよりも、自分の手の届く場所へ置きたいという欲求も感じられます。
エルマを倒し、自分の優位を認めさせる。
あるいは、エルマの人生そのものを奪う。
マリスの目的がどこまで及んでいるのかは断定できません。
それでも、後継者になることだけが、彼女の最終的な望みではなかったと考えられます。
マリスの目的は次期当主になることだけではなかった
マリスは、自分の望みをかなえるためなら積極的に動く人物です。
実際にエルマの追放後は、次期当主として本邸へ移り、剣聖としての力も高めています。
ただ、エルマへの執着を見ていると、家督の継承だけが目的だったとは思えません。
椅子は手に入れた。
それでも欲望は止まらなかった。
剣聖として力を高めることを求めていた
マリスは〈剣聖〉という強力なクラスを持っています。
剣聖は、エドヴァン家が理想としていた剣士系のクラスです。
マリスが後継者に選ばれた大きな理由も、この力にありました。
それでもマリスは、剣聖を授かっただけで満足していません。
自身のレベルを高め、より強い力を得ようとしています。
その背景には、次期当主として認められるだけでなく、エルマを確実に上回りたいという思いもあったのでしょう。
肩書きだけでは足りない。力でも屈服させたい。
そんな執念が、剣の切っ先にまで宿っているように見えます。
エルマを倒して自分の価値を証明したかった
世間の評価では、剣聖は最強格のクラスです。
一方の重騎士は、成長させにくいハズレクラスと考えられていました。
クラスの評価だけで比べれば、マリスがエルマに負ける理由はないように見えます。
ところが、エルマは前世のゲーム知識によって、重騎士の本当の性能を知っています。
最適なスキル構成や育成方法を理解しているため、世間の常識とは異なる強さを手に入れました。
マリスにとって、成長したエルマは、自分の価値を証明するために倒さなければならない相手になったと考えられます。
最強と呼ばれる剣聖が、ハズレと笑われた重騎士に脅かされる。
そりゃ心中穏やかではいられません。
エルマのすべてを奪うことが目的だった可能性もある
マリスは、エルマが持っていた次期当主の座と部屋を手に入れました。
それでも、エルマ本人への執着は消えていません。
このことから、マリスが求めていたものは、地位や権力だけではなく、エルマの人生そのものだったとも考えられます。
ただし、マリスがエルマになり代わろうとしていた、あるいは恋愛感情を持っていたとまでは明言されていません。
マリスの目的を読み解く際は、作中で描かれた行動と、そこから考えられる心理を分けて見る必要があります。
剣聖マリスと重騎士エルマはどちらが強い?
マリスとエルマの関係を象徴しているのが、〈剣聖〉と〈重騎士〉という二つのクラスです。
周囲から期待されたマリスと、ハズレだと追放されたエルマ。
肩書きだけを見れば、勝敗は最初から決まっているように見えます。
でも、この作品はそこを真正面からひっくり返してくるんです。
マリスの剣聖は最強格と評価されるクラス
剣聖は、高い攻撃性能を持つ強力なクラスです。
エドヴァン伯爵家も剣術を重視しており、剣聖を授かったマリスは、理想的な後継者と見なされました。
マリス自身にも高い戦闘能力があり、剣聖のスキルを生かした攻撃は大きな脅威になります。
エルマが重騎士の本当の性能を知らなければ、正面から対抗することは難しかったでしょう。
エルマの重騎士はゲーム知識によって真価を発揮する
重騎士は、一般的には育成効率が悪いハズレクラスとされています。
しかし、前世でゲームをやり込んでいたエルマは、重騎士が適切に育てれば最強格になることを知っていました。
高い耐久力と特殊なスキルを組み合わせることで、エルマは重騎士本来の性能を引き出していきます。
周囲から捨てられたクラスを使い、最強と呼ばれる剣聖に挑む。
いやもう、この逆転構造がたまりません。
見下されていた力で、常識ごと殴り返す。その瞬間、読者の脳内にも火がつきます。
エルマはマリスとの決闘に勝利している
エルマとマリスは、やがて直接対決します。
クラスの世間的な評価ではマリスが有利でしたが、決闘を制したのはエルマです。
エルマは、重騎士の能力だけで押し切ったわけではありません。
ゲーム知識を使ってマリスの能力や戦い方を分析し、勝つための手段を選びました。
剣聖だから勝つ。重騎士だから負ける。
そんな常識を、エルマは戦いの中で粉々にします。
肩書きは強さを語る。しかし、勝敗までは保証しない。
ここ、思わず拳を握った読者も多いはずです。
マリスはエルマの敵なのか味方なのか
マリスは、少なくとも序盤ではエルマと対立する人物です。
エルマの追放によって利益を得ており、後には剣聖として直接対決しています。
そのため、味方と呼べる関係ではありません。
ただし、単純な敵役と呼ぶには、エルマへの感情があまりにも深すぎます。
マリスはエルマの前に立ちはだかる因縁の相手
マリスは、エルマが失った次期当主の座を引き継いだ人物です。
さらに、剣聖と重騎士という対照的なクラスを持ち、実際に決闘へ発展しています。
エルマにとってマリスは、過去の家族関係と現在の成長を同時に突き付けてくる相手です。
単なる強敵ではありません。
エルマが追放された日の記憶そのものを背負って現れる存在です。
マリスの感情は単純な敵意では説明できない
行動だけを見れば、マリスはエルマの敵です。
しかし、マリスがエルマに向ける感情には、明らかな特別扱いがあります。
本当に排除したいだけなら、追放後のエルマを忘れれば済むはずです。
それでもマリスはエルマを意識し、エルマの痕跡を求め続けました。
敵意だけでは説明できない。
だからこそ、マリスは不気味であり、同時に強烈な魅力を持つキャラクターになっています。
二人の因縁は決闘だけでは終わらない
エルマとの決闘によって、二人の因縁が完全に消えたわけではありません。
マリスが抱える望みや、エルマへの執着のすべては明らかになっていないため、今後も二人の関係が物語へ影響する可能性があります。
マリスはエルマを超えたいのか。
支配したいのか。
それとも、本人にも整理できない感情を抱えているのか。
彼女が再びエルマの前に現れたとき、その答えがさらに見えてくるかもしれません。
アニメ版マリスの声優と注目したい演技
アニメ版では、マリス役を阿部菜摘子さん、エルマ役を大塚剛央さんが担当します。
マリスは表面上の言葉だけでなく、声の温度や沈黙の間から内面を読み取る必要があるキャラクターです。
笑顔の奥にある執着が、アニメでどのように表現されるのか。
ここは原作ファンも正座して見届けたいポイントです。
マリス役の声優は阿部菜摘子
マリス役を担当する阿部菜摘子さんは、マリスを自分の望みに貪欲で、強かさを持つ人物として捉えています。
目的のために動く意志の強さと、エルマへ向ける異質な感情。
この二面性が声の演技で表現されれば、原作で感じた不気味さがさらに濃く伝わってきそうです。
柔らかい声ほど怖い。
そんな演技が来たら、心臓に冷たい針を刺されるような感覚になりそうです。
エルマ役・大塚剛央との掛け合いにも注目
エルマは、マリスの感情に巻き込まれながらも、自分の知識と判断で前へ進む人物です。
感情を内側に抱えるマリスと、状況を冷静に分析するエルマ。
二人の会話には、言葉以上の緊張感があります。
決闘だけでなく、互いの名前を呼ぶ声や沈黙の間にも、二人の因縁が表れるでしょう。
『追放された転生重騎士』マリスとエルマの関係を振り返る
マリスは、エルマの追放後にエドヴァン伯爵家の次期当主となった人物です。
剣聖を授かったマリスは、重騎士となったエルマとは対照的な道を歩みます。
しかし、マリスが求めていたのは、後継者の地位だけではありませんでした。
エルマの部屋や持ち物にまで関心を示す姿からは、嫌悪、嫉妬、対抗心、支配欲が入り混じった執着が見えてきます。
マリスはエルマを排除したかったのか。
それとも、自分だけの特別な存在として求めていたのか。
その感情は、まだ一つの言葉では括れません。
エルマは家を追われた。それでも、マリスの心から消えることはなかった。
剣聖と重騎士の勝敗だけでなく、二人の感情がどこへ向かうのか。
マリスが笑顔の奥に隠した望みは、今後の展開でも見逃せない要素です。
ただの因縁では終わらない。
マリスとエルマの関係は、触れれば指先を切るような危うさを抱えています。
よくある質問
- Qマリスとエルマはどのような関係ですか?
- A
二人はエドヴァン伯爵家に関わる人物です。エルマが重騎士を授かって追放された後、剣聖を授かったマリスが次期当主となりました。後継者の座とクラスの違いを巡って、強い因縁を持っています。
- Qマリスはなぜエルマに執着しているのですか?
- A
理由のすべては明言されていません。エルマを超えたい対抗心や嫉妬、優位に立ちたい欲求、エルマ本人への特別な関心が複雑に絡んでいると考えられます。
- Qマリスのクラスは何ですか?
- A
マリスのクラスは〈剣聖〉です。攻撃能力に優れた強力なクラスで、エドヴァン伯爵家から次期当主として期待される理由にもなりました。
- Qマリスとエルマはどちらが強いですか?
- A
世間的なクラス評価では剣聖のマリスが有利ですが、二人の決闘ではエルマが勝利しています。エルマは前世のゲーム知識を生かし、重騎士の性能と戦術を最大限に引き出しました。
- Qマリスはエルマの味方ですか?
- A
少なくとも序盤では、エルマの前に立ちはだかる敵対的な人物です。ただし、マリスがエルマに向ける感情は単純な敵意ではなく、強い執着を含んでいます。
参考情報
本記事は、公式サイト、原作小説、出版社の作品情報をもとに、作中で描かれた事実と考察を分けて構成しています。物語の進行やアニメ版の演出によって、人物の印象や関係性の見え方が変化する場合があります。


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