PR

『鉄鍋のジャン!』五行とは?ジャンとの対決や人物像を解説

丸眼鏡の薬膳料理人と若い中華料理人が豪華な中華料理を挟んで対峙する緊迫した厨房 鉄鍋のジャン!

『鉄鍋のジャン!』の五行こと伍行壊(ご・ぎょうかい)は、裏食医の薬膳を操り、秋山醤との五番勝負で2連勝した後に逆転されたシリーズ屈指の強敵だ。

いやもう、『鉄鍋のジャン!』の伍行壊、マジでヤバいって! 穏やかな丸眼鏡の薬膳料理人だと思わせておいて、料理で「味」だけじゃなく食欲・体調・次に食べる皿まで支配しようとする。ジャンとの五番勝負は、料理漫画というより盤面が人体まで広がった頭脳戦なんだ。

そして大事なのが勝敗。第1戦・第2戦は五行が勝利、第3戦・第4戦はジャンが勝利。第5戦は騒動によって通常の審査が成立しないまま終わるものの、最後に五行自身がジャンに「してやられた」と敗北を認める形になる。

『鉄鍋のジャン!』五行こと伍行壊とはどんな人物?

『鉄鍋のジャン!』の五行こと伍行壊は、薬膳料理「五行膳」を操る五行道士であり、裏では「裏食医」の技を継ぐ人物として秋山醤の前に現れる。

一見すると物腰は柔らかい。丸眼鏡をかけ、穏やかな口調で料理を語る姿だけなら、主人公のジャンよりずっと常識的に見える。

ところが、その印象は長く続かない。

五行は大谷日堂がジャンと五番町飯店に対抗するため香港から招いた料理人で、新店舗「蜃気楼」の料理長に就任。薬膳に関する膨大な知識と高い調理技術を武器に、ジャンとの直接対決へ進んでいく。

五行が表向き掲げる料理観は「料理は気」

陰陽や五行の考え方を料理へ取り込み、酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味などを組み合わせながら、食べる人間の状態そのものへ働きかける「五行膳」を使う。

作中では食べる相手の体調を読み、その人に合わせた料理を作る能力も描かれている。

ここだけ聞けば、むしろ優秀な薬膳料理人だ。

問題は五行が、その技術を「身体を整える」方向だけに使う人物ではないこと。

その正体は、料理を利用する裏食医の末裔として描かれる。

つまり五行にとって料理とは、「うまい一皿を作る技術」だけではない。

人間の身体へ働きかけるための技術でもある。

ここが、秋山醤や五番町霧子とは決定的に違う。

ジャンは「料理は勝負」。

霧子は「料理は心」。

そして五行は「料理は気」を掲げながら、裏側にはさらに危険な料理観を隠している。

俺が伍行壊をシリーズ屈指の強敵だと思う理由は、卑怯な手段を使えるからじゃない。

そんなものを使わなくても、一流料理人としてジャンと張り合えるほど強い。

そこへ薬膳、人間観察、心理戦、盤外戦まで乗せてくる。

強敵に拡張パック全部突っ込んだような男なんだよ。

『鉄鍋のジャン!』五行とジャンの五番勝負の結果は?

『鉄鍋のジャン!』の五行とジャンによる五番勝負は、五行が最初の2戦を連取し、ジャンが第3戦・第4戦を取り返して2勝2敗。第5戦は正常な採点が成立しない騒動となり、最終的に五行自身がジャンに敗北を認める流れになる。

ここ、検索してきたみんなが一番知りたいところだろ? 料理名だけ並べても「で、誰が勝ったんだよ!」となる。まず全体を整理するぞ。

対決テーマ五行の料理ジャンの料理勝敗・決着勝負を分けたポイント
第1戦胃に効く料理仏跳牆豚の胃袋などを使った料理五行勝利圧倒的な香りと薬膳知識でジャンを上回る
第2戦涼を呼ぶ料理荷葉粥発汗鼓粥五行勝利ジャンの料理で冷えた審査員の状態まで利用
第3戦スタミナ料理棗泥桂魚秋山式補髄湯ジャン勝利五行の妨害設計をジャンが逆手に取る
第4戦不老長寿料理如意端鳳長寿回春ジャン勝利身体を強制する五行と「生きたい」と思わせるジャンの差
第5戦天国に一番近い料理火災樹(太極型の鍋料理)南海漁村通常判定は成立せず/五行が敗北を認める盤外策と隠された食材が発覚し勝負そのものが崩壊

つまり戦績だけを機械的に数えるなら、正式な判定がついた第4戦までで2勝2敗

最終戦は得点や多数決で「ジャン○点、五行○点」と決まる形ではない。

ただし騒動の最後、五行自身がジャンに「してやられた」という趣旨で敗北を認めて去るため、物語上はジャンが五番勝負を制したと理解するのが自然だ。

この曖昧さこそ重要なんだ。

五行との勝負は最後になるほど、「どちらの料理がうまいか」という普通の料理対決から離れていく。

料理で相手を出し抜く勝負から、人間としてどこまで踏み越えるかの勝負へ変質していく。

だからこそ、第1戦から順番に追うとめちゃくちゃ面白い。

『鉄鍋のジャン!』五行の第1戦・第2戦はなぜジャンに勝てた?

『鉄鍋のジャン!』五行の恐ろしさが最も鮮烈に出るのが序盤だ。伍行壊はジャン相手に第1戦と第2戦を連勝し、先に王手をかける。

主人公がいきなり2連敗。

いやもう、少年漫画でこれは心臓にエスプレッソぶち込まれる展開だろ。

『鉄鍋のジャン!』五行第1戦は仏跳牆で勝利

第1戦のテーマは「胃に効く料理」

五行が出したのは仏跳牆(フォチャオチャン)だ。

フカヒレ、アワビ、ナマコ、貝柱などの乾物や薬膳に用いる素材を組み合わせ、作中では長時間かけて仕上げられる壺料理として登場する。

とにかく強烈なのが香り。

会場だけでは収まらないほど料理の存在感を広げ、ジャンでさえ使われた材料をすべて簡単には把握できないほど複雑な構成を見せる。

一方、ジャンも「胃」というテーマに対し、豚の胃袋などを利用した料理で挑む。

ジャンらしく理屈は通っている。

しかし第1戦では、五行の薬膳知識と料理としての完成度がジャンを上回り、五行が勝利する。

ここが重要なんだよ。

五行って、後から危険な本性が目立つから「反則技ばかりの敵」に見えやすい。

でも初戦で示されるのはむしろ逆。

真正面から料理を作っても強い。

ジャンですら読み切れない知識を持っている。

だからその後の卑劣さも怖くなるんだ。

実力のない悪役がズルをするのとは違う。

超一流がズルまで覚えている。

いや、それ一番相手にしたくないやつ!

『鉄鍋のジャン!』五行第2戦は荷葉粥で2連勝

第2戦のテーマは「涼を呼ぶ料理」

ジャンは発汗鼓粥を作り、発汗によって身体を一気に冷やす方向からテーマへ迫る。

その効果は非常に強く、審査員の身体が大きく冷え込む。

そして五行が出すのが荷葉粥(ホーイェヅォ)だ。

蓮の葉などを使ったシンプルな粥で、ジャンの料理によって過剰に冷えた審査員へ対応する形になる。

結果は五行の勝利

これで五行は2連勝となり、ジャンに対して先に王手をかける。

ただ、この第2戦が面白いのは「五行がジャンの料理より優秀だった」で終わらないところだ。

五行はジャンの料理を食べた後、審査員がどんな状態になるかまで含めて料理を成立させている。

つまり勝負の盤面が一皿じゃない。

前の皿。

現在の身体。

次の料理。

そこまで全部つながっている。

ジャンも当然、この構造を理解し始める。

ここから二人の料理対決は、相手の料理を読むだけの戦いではなくなる。

「相手が自分をどう読むか」を読む戦いになるんだ。

『鉄鍋のジャン!』五行の第3戦・第4戦でジャンはどう逆転した?

『鉄鍋のジャン!』五行は2連勝でジャンを追い詰めるが、第3戦から流れが反転する。ジャンは伍行壊の狙いを読むだけでなく、その読み自体を利用し始める。

ここからのジャン、マジで悪魔のエンジンかかるぞ。

「料理は勝負」を掲げる男が、相手の勝ち筋そのものを料理していく。

『鉄鍋のジャン!』五行第3戦は棗泥桂魚で敗北

第3戦のテーマはスタミナ料理

五行が作るのは棗泥桂魚(ザオニークエイユイ)だ。

鱖魚にナツメを使った甘い要素を合わせ、強い甘味と香りを持たせた料理として描かれる。

もちろん五行は、単に「甘くてスタミナがつく料理」を作ったわけじゃない。

狙いはその後だ。

強烈な甘味によって満腹感を与え、後から出されるジャンの料理を重く感じさせる。

つまり五行は、自分の皿で高得点を取ることと、ジャンの皿を弱体化させることを同時に狙っていた。

ところがジャンが作った秋山式補髄湯によって、この計算が崩れる。

ジャンは自らの料理へ強い塩味を加えることで、五行が仕掛けた甘さとの関係を逆転させる。

結果として棗泥桂魚の甘さや香りがむしろ過剰に感じられるようになり、評価を落とす。

第3戦はジャンの勝利。

ここ、めちゃくちゃ『鉄鍋のジャン!』なんだよ。

「相手の妨害を防いだ」じゃない。

相手の妨害を、自分が勝つための仕掛けに作り替えた。

五行は審査員の身体を盤面にした。

ジャンはその盤面そのものをひっくり返した。

これで1勝2敗。

そして五行の余裕も崩れ始める。

『鉄鍋のジャン!』五行第4戦は如意端鳳で再び敗北

第4戦のテーマは不老長寿料理

伍行壊は如意端鳳を出す。

マナヅル、赤ウミガメ、朝鮮人参などを使い、食べる人間に不足しているものを補うという考え方を徹底した五行膳だ。

作中では、必要な栄養を満たす方向へ身体を強く動かし、食べる本人の意思すら置き去りになるような料理として描かれる。

ここは漫画的な誇張を含んだ表現として読む必要があるが、物語上の意味はかなり明確だ。

五行は「身体にとって正しいこと」を極端に追求する。

一方のジャンが出すのは長寿回春

高級食材や珍しい食材を食べる喜びを通じて、「こんなものをもっと食べたい、そのために長生きしたい」と思わせる方向から不老長寿へ答える。

ここで対立しているのは、栄養価だけじゃない。

五行は、

「身体に必要だから生きる」

という方向。

ジャンは、

「もっと楽しみたいから生きる」

という方向だ。

審査員は、本人の意思を無視して食べ続けさせるような五行の料理に反発する。

その結果、第4戦もジャンの勝利。

これで2勝2敗。

五番勝負は最終戦へ突入する。

俺はこの第4戦こそ、伍行壊というキャラクターを理解する一番重要な勝負だと思っている。

五行の料理は技術的に未熟だから敗れたわけじゃない。

むしろ逆だ。

技術を極端なところまで完成させたからこそ、その料理観の危うさまで完璧に皿へ出てしまった。

身体のため。

健康のため。

長寿のため。

全部もっともらしい。

でも、本人が望んでいなかったら?

その瞬間、五番町霧子の「料理は心」が直接参加していない勝負の中でも浮かび上がってくるんだ。

※画像はAIによるイメージ

『鉄鍋のジャン!』五行の第5戦は誰が勝った?

『鉄鍋のジャン!』五行との第5戦は、通常の採点による明確な勝者が決まらないまま会場が大混乱する。ただし最後に伍行壊本人がジャンに敗北を認める形で決着する。

ここは「五行の料理がジャンよりまずかったから負けた」という話ではない。

むしろ五行の料理自体は高く評価される。

だから余計にヤバい。

テーマは「天国に一番近い料理」

ジャンは南海漁村を作る。

一方、五行は赤と白、2種類のスープを組み合わせた太極図のような鍋料理火災樹(ホゥツアィスー)を披露する。

ハクビシンなどを使い、複数のタレとともに楽しませる構成で、料理そのものは審査員から高い評価を得る。

ところが、この最終戦に入る前から勝負は壊れ始めていた。

五行はジャンが料理へ使用した食材と酒の相性を利用し、審査員へ危険な状態を起こさせようとする。

ジャンが異変へ対応したことで最悪の事態は避けられるものの、審査員の交代まで発生する。

もう料理番組の空気じゃない。

さらに火災樹には、会場関係者が大切にしていた犬を無断で料理へ使っていた事実がジャンによって暴かれる。

ここで大騒動へ発展。

料理の得点を比較して「第5戦は○対○でジャンの勝利」と終わる状況ではなくなる。

だから勝敗を正確に書くなら、

第5戦=正式な通常判定は成立せず。

これが一番安全だ。

ただし物語上の決着はある。

騒動の後、五行はジャンに「してやられた」という趣旨で、自分が負けたことを認める。

だから五番勝負全体としては、

対決結果
第1戦五行勝利
第2戦五行勝利
第3戦ジャン勝利
第4戦ジャン勝利
第5戦判定不能だが五行が敗北を認める

という整理になる。

そして俺が五行戦で一番ゾクッとするのはここなんだ。

五行は人間の身体を読める。

食欲を操作する。

料理を食べる順番まで計算する。

相手が何を考えるかも読む。

なのに最後には、

自分自身の怒りを制御できない。

他人を完璧にコントロールしようとした男が、最後に制御できなかったのは自分。

これ、キャラクター設計としてめちゃくちゃ皮肉が効いている。

『鉄鍋のジャン!』五行はその後『R』『2nd』でどうなった?

『鉄鍋のジャン!』の伍行壊は無印だけの敵ではない。『鉄鍋のジャン!R 頂上作戦』で再登場し、その後は五番町飯店側へ入り、『鉄鍋のジャン!!2nd』では香港支店を任される。

初登場を覚えてるお前ら。

「あの五行を店に入れて大丈夫なのか!?」って思うよな?

わかる。俺も思う。

『R 頂上作戦』では、五行は湯水スグルのもとで蟇目檀、尾藤リュウジらとともにジャンへ勝負を挑む。

ここでも五行の薬膳技術は健在だ。

回鍋肉対決などを経て、さらに「一皿1000円のフカヒレ料理」をテーマとした勝負では、五行らしい人体への作用を計算した料理を作る。

しかし最終的にはジャンに敗れる。

その後、五行、蟇目、リュウジは五番町飯店で働く流れになる。

注目したいのは、再戦時の五行に無印とは少し違う反応が描かれていることだ。

ジャンが料理のため自分の身体へ負担をかける場面では、五行が周囲へ対処を促す。

これは「完全に善人になった」という意味ではない。

五行は相変わらず五行だし、かなり危ない発想も残っている。

ただ俺には、勝負相手が傷つくことと、自分が勝つことを完全に同一視していた無印時代から、一歩だけ距離が生まれたように見える。

ここは作中で「五行は改心しました」と宣言される設定ではない。

あくまで行動の変化からそう読める、という俺の解釈だ。

そして『鉄鍋のジャン!!2nd』では、その変化がさらに分かりやすくなる。

五行は五番町飯店香港支店を任される立場となり、娘の伍行姫も登場する。

さらに重要なのが、娘に対する姿勢だ。

若い頃の五行が危険な技術を自ら積極的に利用していたのに対し、後年の五行は、裏食医の技について料理人を目指すなら使うべきではないものだという趣旨で娘を諭す

ここは以前の記事よりはっきり言える。

「娘に自由に考えさせている」という曖昧な話だけじゃない。

作中の五行は、かつて自分が使っていた危険な技術に対して、娘へ明確にブレーキをかける側へ回っている。

いやもう、お前……。

無印のお前に見せてやりたいよ、その姿!

俺にはこれが、伍行壊という人物の成長を象徴しているように見える。

若い頃は、

「使える技術なら勝つために使う」

という方向へ傾いていた。

父親となった後は、

「使えるからといって、料理人が使っていい技術とは限らない」

という価値観へ近づいている。

危険な知識そのものが消えたわけじゃない。

過去も消えない。

でも、自分の経験を経て「技術の使い方」に線を引こうとしている。

だから『2nd』まで読むと五行は、ただの悪役から一気に立体的になるんだ。

『鉄鍋のジャン!』五行の若い頃を描くスピンオフとは?

『鉄鍋のジャン!』の伍行壊をさらに知りたいなら、スピンオフ『鉄鍋のジャン!五行クンの楽しい香港生活』がある。

本編では完成した強敵として現れた五行を、今度は1990年代の香港・九龍城で暮らしていた若い頃から描く作品だ。

著者は西条真二、監修は前田克紀。

KADOKAWA系の公式コミック紹介では、伍行壊が九龍城に住み、薬膳を得意とすること、さらに食によって相手へ危害を及ぼす技が「裏五行」と呼ばれていることが紹介されている。

単行本は全3巻。

KADOKAWAの商品詳細ページでは、第1巻が2020年11月9日、第2巻が2021年10月8日、第3巻が2022年7月8日と案内されている。

一方、KADOKAWA内には第2巻を10月6日、第3巻を7月6日とする表記も確認されるため、発売日については同社内で表示差がある点には注意したい。

以前の記事のように「6日表記は間違い、8日が正しい」と断定するのは避けた方がいい。

確認するページによって表記が分かれている、という扱いが妥当だ。

物語では若き伍行壊が香港・九龍城で暮らし、薬膳の技術を使って裏の依頼へ関わっていく。

ここまで読むと、本編で五行が料理を「人を幸せにするもの」だけとして見ていない理由も理解しやすくなる。

彼にとって料理は、

人を満足させるもの。

身体を整えるもの。

生きるためのもの。

そして時には、敵へ対抗するための力でもある。

もちろん過去が描かれたからといって、本編での行動すべてが正当化されるわけじゃない。

そこは分けて考えたい。

でも、「なぜ伍行壊は料理へここまで強烈な力を求めるのか」という人物形成を見る材料にはなる。

本編だけでは突然現れた怪物。

スピンオフまで読むと、その怪物にも積み上げてきた人生がある。

敵キャラの過去編だと思って入ったら、シリーズ本編の見え方まで変えてくる。

いやもう、ファンの心へ追い薬膳するなって!

『鉄鍋のジャン!』五行はなぜジャンの好敵手として重要なのか?

『鉄鍋のジャン!』の伍行壊が強烈なのは、ジャンより凶悪だからだけじゃない。ジャン・霧子・五行の3人を並べると、作品が描く「料理人は食べる人間とどう向き合うのか」がくっきり見えてくる。

ここが俺の中で、五行というキャラクターを語るうえで一番面白いポイントだ。

ジャンは「料理は勝負」

勝つためなら審査員の心理、食欲、食べる順番、相手の料理まで利用する。

五番町霧子は「料理は心」

料理を食べる相手の気持ちを重視する。

そして伍行壊は表向き「料理は気」を掲げ、五行膳によって人間の身体へ直接働きかける。

この3人は全員、実は「食べる人間」を見ている。

ただし見ている場所が違う。

霧子はを見る。

五行は身体を見る。

ジャンは勝負を左右する人間全体を見る。

だから五行はジャンと似ている。

どちらも皿だけを見ない。

食べる順番も、体調も、心理も利用する。

でも、第4戦で決定的な違いが現れる。

五行は「身体にとって必要だから」という理由で、人間の意思より身体への作用を優先するところまで進んだ。

ジャンはそんな五行へ対し、「もっと食べたい」「もっと生きたい」という欲望を料理で引き出した。

霧子の「心」とジャンの「勝負」が、奇妙なところで接近する瞬間でもある。

俺には伍行壊が、

「ジャンが勝利だけを追ってさらに一線を越えたら、こうなっていたかもしれない」

という可能性を映す鏡に見える。

ジャンも相当危険だ。

公式のアニメ紹介ですら、相手を打ち負かすためなら手段を選ばない料理人として説明されているくらいだ。

それでも五行との戦いでは、そのジャンにさえ境界線が存在することが見えてくる。

そして何より面白いのが、その境界線を一度踏み越えた五行自身が後年変わっていくこと。

『2nd』の五行は、娘の伍行姫へ危険な技を無条件に継がせる男ではない。

自分が使ってきた技術だからこそ、その危険性を語る側へ回る。

だから俺には伍行壊のシリーズ全体が、

「他人の身体を支配しようとした料理人が、技術を使わない選択の価値を知っていく物語」

にも見える。

これは作品内で明文化された公式設定ではない。

無印、『R』、『2nd』で描かれた五行の行動を一本につないだ俺なりの読み方だ。

でも、この変化があるから五行は「主人公に負けた悪役」で終わらない。

初登場では怖い。

五番勝負では強い。

『R』ではちょっと変わった。

『2nd』では父親になってる。

一人でキャラクター人生の満漢全席を出してくる。

そりゃ語りたくなるって!

『鉄鍋のジャン!』五行の五番勝負とその後を振り返る

『鉄鍋のジャン!』の五行こと伍行壊は、裏食医の技術と五行膳によって秋山醤を2連敗へ追い込んだ、シリーズでもトップクラスの薬膳料理人だ。

ジャンとの五番勝負では、第1戦「胃に効く料理」で仏跳牆を出して勝利。

第2戦「涼を呼ぶ料理」では荷葉粥によって再び勝ち、2連勝で先に王手をかける。

しかし第3戦「スタミナ料理」では棗泥桂魚の狙いをジャンの秋山式補髄湯に逆利用されて敗北。

第4戦「不老長寿料理」では如意端鳳を完成させるものの、食べる本人の意思より身体への作用を優先した料理が審査員に拒まれ、ジャンの長寿回春に敗れる。

そして第5戦「天国に一番近い料理」では、五行の火災樹とジャンの南海漁村が激突。

ところが盤外策や料理へ隠されていた食材をめぐって大騒動となり、通常の採点は成立しない。

その一方で最後には、五行自身がジャンに「してやられた」という趣旨で敗北を認める。

だから五番勝負の結果は「五行2勝、ジャン2勝、第5戦は判定不能だが物語上はジャンが勝負を制した」と整理するのが最も分かりやすい。

その後、伍行壊は『鉄鍋のジャン!R 頂上作戦』でジャンと再戦。

敗北後は五番町飯店で働くことになり、『鉄鍋のジャン!!2nd』では香港支店を任され、娘の伍行姫を持つ父親として登場する。

若い頃を描いた『鉄鍋のジャン!五行クンの楽しい香港生活』まで含めれば、その人生はさらに広がる。

敵。

好敵手。

再戦相手。

五番町飯店の料理人。

香港支店を任される人物。

そして父親。

最初から最後まで同じ場所に立ち続けるキャラクターじゃない。

だから伍行壊は面白い。

俺が五行を好きなのは、単に「ジャンを2回も倒した強敵」だからじゃない。

五行を見ることで、ジャンという主人公が何をする男で、何だけは踏み越えない男なのかまで見えてくる。

さらに後年の五行自身が、若い頃には見えていなかった境界線へ気付いたような姿を見せる。

料理は勝負なのか。

料理は心なのか。

料理は身体へ働きかける技術なのか。

『鉄鍋のジャン!』は、そんな料理観をキャラクター同士で本気でぶつける漫画だ。

伍行壊との五番勝負は、その魅力が最もむき出しになるエピソードの一つだと思う。

強敵は主人公の強さを証明するだけじゃない。主人公が踏み越えなかった境界線まで映し出す。

五行が今も語りたくなる理由、そこにあるんだよ。

よくある質問

Q
『鉄鍋のジャン!』五行とジャンの五番勝負はどちらが勝った?
A

第1戦・第2戦は五行、第3戦・第4戦はジャンが勝利して2勝2敗。第5戦は騒動により通常の判定が成立しないが、最後に五行本人がジャンへの敗北を認める形で終わる。

Q
『鉄鍋のジャン!』五行の本名は?
A

本名は伍行壊(ご・ぎょうかい)。五行道士と呼ばれる薬膳料理の達人で、裏食医の技を受け継ぐ人物として登場する。

Q
『鉄鍋のジャン!』五行はその後も登場する?
A

登場する。『鉄鍋のジャン!R 頂上作戦』でジャンと再戦した後は五番町飯店側へ入り、『鉄鍋のジャン!!2nd』では五番町飯店香港支店を任され、娘の伍行姫も登場する。

神楽 颯(かぐら・はやて)/『KAGURA-ROOM』

シリーズ記事まとめ

コメント

タイトルとURLをコピーしました